第180章 彼女は浮気相手だ

今度は野口颯汰のほうが固まった。

そこまでは、まったく想像していなかったのだ。

佐藤優汰は颯汰の顔を見て、こいつ本当に気づいてなかったなと即座に察し、机をバンバン叩きながら大げさに笑い出した。

「何年も友達やってきてさ、俺の中じゃずっと颯汰のこと兄さんだと思ってたのに……まさかだよな! 結局、兄貴は俺のほうだったってオチかよ」

「笑いすぎだろ」

野口颯汰は手にしていた湯呑みを置いた。カツン、と乾いた音が卓に響く。

佐藤優汰は笑いこそ収めたが、口元の上がりはどうしても隠しきれない。目を細め、まるで長年虐げられてきた者がようやく勝ち誇ったみたいな顔をしている。

「颯汰。ほら、立場的...

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